福岡市西区の生の松原(いきのまつばら)に、鎌倉時代の元寇防塁(げんこうぼうるい)が残っている。1281年の弘安の役で元(モンゴル帝国)軍の上陸を防ぐために築かれた石積みの防壁で、国の史跡に指定されている。
元寇防塁の石垣

元寇防塁の石垣。現在も海岸線に沿って石積みの防壁が残っており、鎌倉時代の築城技術を今に伝えている。高さ約2m・幅約3mの石垣が、博多湾岸の約20kmにわたって築かれたとされる。実際に目の前で見ると、当時の人々が急いで積み上げた様子が伝わってくる。
石垣の積み方(近景)

防塁の石垣を近くで見ると、大きな石を積み重ねた当時の構造がよくわかる。セメント等を使わない空積み(からづみ)の石垣で、これを短期間で博多湾岸全体に築いたというのは驚異的な工事だ。1274年の文永の役の後、わずか7年で完成させた。
案内板(史跡・元寇防塁)

史跡「元寇防塁」の案内板。国の史跡に指定されており、現地には詳しい解説板が設置されている。元寇(蒙古襲来)の歴史と防塁の役割について、日本語と英語で説明されている。世界史的にも重要な史跡のひとつだ。
生の松原の海と砂浜

生の松原から博多湾を見た景色。海岸線に沿って松林が広がり、その前に砂浜と海が広がる。この海岸線に740年以上前の元軍が押し寄せてきたと思うと、何とも言えない感覚になる。現在は静かな海岸だが、歴史の重みが感じられる場所だ。
松原の砂の道

生の松原の松林と砂の道。唐津の虹ノ松原と同じく、海岸沿いの防砂林として古くから保護されてきた松原だ。元寇防塁を見学した後、この静かな松林の中を歩いてみると、歴史と自然の両方を同時に味わえる。福岡市内から30分ほどで来られる、意外と知られていない史跡だ。
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